2ch怖い話『猿夢』を徹底解剖!悪夢を見た時の対処法

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猿夢とは何か?

「猿夢(さるゆめ)」は、2000年に2ちゃんねるのオカルト板「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」で発表された都市伝説です。

日本の怪談における代表的な一つとして知られ、「猿夢」はその独特な恐怖感と衝撃的なストーリーで多くの人々を魅了し、恐怖させてきました。

この話題は、後に多くの場で取り上げられ、様々な解釈や考察が行われてきました。

猿夢の起源

「猿夢」の起源は、2ちゃんねるの投稿にあります。

投稿者は高校生または大学生の女性とされていますが、具体的な性別や詳細は明らかにされていません。この投稿は、投稿者がある夢で体験した恐怖の出来事を詳細に語ったものです。

投稿者は、夢の中で薄暗い無人駅に一人で立ち、次第に恐ろしい出来事に巻き込まれていきます。このように、生々しい夢の描写が「猿夢」の特徴です。

2ちゃんねるでの反響

「猿夢」は、その奇怪なストーリーと強烈な印象から、2ちゃんねる内で瞬く間に話題となりました。

「洒落怖」という言葉は、2ちゃんねるのこのスレッドから生まれ、猿夢を含む多くの怖い話のカテゴリーとして広がっていきました。2ちゃんねるユーザーたちは、この話題について積極的にコメントを寄せ合い、新たな考察や意見を交換しました。

猿夢の影響と広がり

猿夢は、インターネット上だけでなく、一般のホラー文化やメディアにも大きな影響を与えました。

内容のショッキングさや、日常と非日常が交錯する夢の中での出来事は、多くの人々の恐怖心を刺激しました。また、猿夢は「検索してはいけない言葉」としても知られ、さまざまなメディアで取り上げられ、都市伝説としての地位を確立しました。

このように、猿夢は単なるインターネット上の怖い話を超えて、多くの人々の心に影響を与え続けています。

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猿夢の概要(あらすじ)

夢のはじまりと恐怖のアナウンス

猿夢の物語は、ある投稿者が経験した夢の中で始まります。

彼女はぼんやりとした無人駅に立っており、どこからともなく「まもなく電車が来ます。その電車に乗ると恐い目に遭いますよ」とアナウンスが流れ始めます。

このアナウンスは、夢の序章からすでに不安を掻き立て、ただならぬ雰囲気を醸し出しています。しかし、この夢が明晰夢であると自覚していたため、投稿者は恐怖に抗いながらも電車に乗ることを決意します。

この選択が、彼女をさらなる恐怖の渦に巻き込んでいきます。

次々と起こる惨劇

電車が動き出すと、まず「次は活けづくり~活けづくりです」というアナウンスがあり、背後の男性が突然4人の小人たちに襲われます。小人たちは刃物を使い、彼の体を裂き、内臓を取り出してしまいます。

この惨劇は夢の中にもかかわらず、極めてリアルで視覚的な描写が記憶に焼き付きます。「次はえぐり出し~えぐり出し~」と続くアナウンスと共に、今度は女性の目がえぐり取られるという衝撃的な光景が繰り広げられます。

恐怖のクライマックス

次に予告されたのは「挽肉~挽肉です~」という、自分自身が標的となる場面です。小人たちは恐ろしい道具を持ち寄り、まるで彼女の体を挽肉にしようと迫ってきます。

この状況は、夢であることを一時的に忘れさせるほどの恐怖感を与え、彼女を完全に追い詰めます。しかしギリギリのところで彼女は目を覚まし、この夢から逃れることができました。

この恐ろしくも鮮明な体験は、彼女と同様に多くの読者にも深い恐怖を植え付け、猿夢が「2ちゃんねる」で語られる数多くの怖い話の中でも特別な位置を占めることとなりました。

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猿夢の恐ろしさの理由

心理的恐怖

猿夢の恐ろしさは、単なる視覚的なホラーだけではなく、強烈な心理的恐怖を引き起こすところにあります。この怖い話は、読者を夢の中へと引き込みますが、そこに感じられるのは、逃れられない運命や無力感です。

「2ちゃんねる」の「洒落怖」カテゴリーで話題となったこのストーリーは、夢の中の出来事が現実にも影響を及ぼすのではないかという恐怖を植え付けます。これにより、読者はただのフィクションとして割り切れず、深層心理にまで影響を受けることになります。

視覚的描写とその効果

猿夢は、そのグロテスクな視覚描写によっても恐怖を駆り立てます。電車の中で展開される残酷なシーンは非常に生々しく、具体的なイメージが浮かぶように描かれています。

小人たちが乗客を次々と襲い、内臓が取り出されるなどの描写は、読者の想像力をかき立て、そのリアルさに引き込まれます。このような視覚的恐怖は、怪談や2ch怖い話においても非常に強力であると言えるでしょう。

視覚に鮮烈に焼き付くこれらのシーンが、読み手の心に長く残る恐怖となっているのです。

都市伝説としての位置づけ

猿夢は、一種の都市伝説としても確固たる地位を築いています。「2ちゃんねる」での発表以来、日本の怪談文化の中で独自の存在感を放つようになりました。

その話題性はSNSやブログなどのインターネット上で拡散され、多くの考察が生まれています。あらすじや詳細なストーリーが語り継がれる中で、現代における都市伝説の典型として扱われています。

猿夢は単なる怖い話に留まらず、時代の流行に合わせて変容しつつ、そしてまた新たなホラー文化の一部として位置づけられています。

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猿夢に対する各種考察と解釈

夢占い師の視点

夢占い師たちによると、猿夢が描く恐怖は、心の奥底にある不安や抑圧された感情の表れと考えられます。

無人駅や異形の電車といった非現実的なシチュエーションは、日常生活で適応しきれない感情や状況を象徴しているという見解があります。

また、「恐怖のアナウンス」や「小人による惨劇」は、コントロールを失った時の不安や、他者に対する漠然とした恐れを具現化しているとされます。

これらの要素が絶妙に組み合わさり、猿夢の持つ強烈なインパクトを生み出しているのです。

インターネット上の意見

インターネット上では、猿夢に関する議論が絶えません。2ちゃんねるの「洒落怖」板での人気から広まり、さまざまな解釈が飛び交っています。一部のユーザーは、猿夢のあらすじや描写に隠れたメッセージや教訓を見出そうとしています。

また、猿夢の恐怖は視覚的なものでありながらも、聞く者の想像力をかき立て、「次はえぐり出し~」といったアナウンスが繰り返されるごとに、緊張感を増していくと指摘されています。

こうしたストーリーの巧みさが、猿夢をただの怪談に留まらせない魅力となり、長きにわたり人々を惹きつける要因となっています。

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猿夢の影響

ホラー文化への影響

猿夢はその恐ろしさから、多くの人々に記憶される存在となり、現在のホラー文化に新たな視点を提供しています。

2ちゃんねるの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」というスレッドで、猿夢はその名を知られるようになりました。この「洒落怖」と呼ばれるシリーズは、日本のホラー文化に大きな影響を与えました。

特に、読者に強烈な心理的恐怖を与えるスタイルは、後のホラー作品にも影響を及ぼしており、短編の怪談や都市伝説として親しまれる形式を確立しています。

メディア展開とその効果

猿夢の影響はインターネット上だけに留まらず、さまざまなメディアでの展開を通じて恐怖の象徴としての地位を確立しました。

ホラーゲームや漫画、さらには動画形式の作品でも、猿夢の要素を取り入れたものが多数存在しています。これによって、単なる怖い話としてだけでなく、ビジュアルメディアとしての恐怖体験を提供することによって、幅広い層に訴求することに成功しています。

また、インターネット上のユーザー間での情報共有を通じて、猿夢のあらすじや考察が繰り返し議論され、都市伝説としての深みが増していく様子を見ることができます。

これらのメディア展開は、猿夢が現代のホラー作品に与えた影響を象徴するものであり、作品の持つ強いインパクトをさらに増幅させる結果となっています。

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「猿夢」など悪夢を実際に見た時の対処法

夢から覚める方法

1.強く念じる: 夢の中で「これは夢だ」と強く念じることで、現実に戻ることができる場合があります。特に恐怖を感じたときは、目を閉じて「夢から覚めろ」と繰り返し念じることが効果的です。

2.体を動かす: 夢の中で自分の体を動かそうとすることで、現実の体も反応し、目が覚めることがあります。手や足を動かすことを意識してみてください。

3.現実の音に集中する: 夢の中で現実の音(目覚まし時計や外の音など)に集中することで、夢から覚めやすくなります。音に意識を向けることで、現実に引き戻されることがあります。

心理的な対処法

1.リラックスする: 夢から覚めた後は、深呼吸や瞑想を行い、心を落ち着かせましょう。リラックスすることで、恐怖感を和らげることができます。

2.ポジティブな活動をする: 好きな音楽を聴いたり、楽しい映画を見たりして、気分を切り替えましょう。ポジティブな活動をすることで、恐怖の余韻を払拭できます。

3.話す: 信頼できる友人や家族に夢の内容を話すことで、気持ちが軽くなることがあります。話すことで、恐怖を共有し、和らげることができます。

4.日記を書く: 夢の内容を日記に書き出すことで、頭の中を整理し、恐怖感を減らすことができます。書くことで、夢の影響を客観的に捉え直すことができます。

5.専門家に相談する: もし怖い夢が頻繁に続く場合は、心理カウンセラーや医師に相談することも検討してください。専門家のアドバイスを受けることで、適切な対処法を見つけることができます。

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『猿夢』2chスレ

私は夢をみていました。

昔から私は夢をみている時に、たまに自分はいま夢をみているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。

何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭い夢だなぁと思いました。すると急に、駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。

それは『まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~』と、意味不明なものでした。まもなく駅に電車が入ってきました。

それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので、数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。

私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなり、その電車に乗る事に決めました。

本当に恐くて堪らなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。

私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。

『出発します~』とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。これから何が起こるのだろうと、私は不安と期待でどきどきしていました。電車はホームを出ると、すぐにトンネルに入りました。紫色っぽい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。

私は思いました。このトンネルの景色は、子供の頃に遊園地で乗ったスリラーカーの景色だ。この電車だってお猿さん電車だし、結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけで、ちっとも恐くなんかないな。

とその時、またアナウンスが流れました。『次は活けづくり~活けづくりです』

活けづくり?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに、四人のぼろきれのような物をまとった小人がむらがっていました。

よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、本当に魚の活けづくりの様になっていました。強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。男の体からは次々と内臓がとり出され、血まみれの臓器が散らばっています。

私のすぐ後ろには、髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、彼女はすぐ後で大騒ぎしているのに、黙って前を向いたまま、気にもとめていない様子でした。

私はさすがに想像を超える展開に驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ、恐くなり、もう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。

気が付くと、一番後ろの席の男はいなくなっていました。しかし、赤黒い血と、肉の固まりのようなものは残っていました。後ろの女性は相変わらず無表情に一点をみつめていました。

『次はえぐり出し~えぐり出しです』とアナウンスが流れました。すると今度は二人の小人が現れ、ぎざぎざスプーンの様な物で、後ろの女性の目をえぐり出し始めました。

さっきまで無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、私のすぐ後ろで鼓膜が破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。眼から眼球が飛び出しています。血と汗の匂いがたまりません。

私は恐くなり、震えながら前を向き、体をかがめていました。ここらが潮時だと思いました。これ以上付き合いきれません。

しかも順番からいくと、次は3番目に座っている私の番です。私は夢から覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、それを確認してからその場から逃げる事にしました。

『次は挽肉~挽肉です~』とアナウンスが流れました。

最悪です。どうなるか容易に想像が出来たので、神経を集中させ夢から覚めようとしました。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ。いつもはこう強く念じる事で成功します。

急に「ウイーン」という機械の音が聞こえてきました。今度は小人が私の膝に乗り、変な機械みたいな物を近づけてきました。たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、と目を固くつぶり一生懸命に念じました。

「ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かになりました。

なんとか悪夢から抜け出す事ができました。全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れていました。私は寝床から台所に行き、水を大量に飲んだところでやっと落ち着いてきました。

恐ろしくリアルだったけど、所詮は夢だったのだから、と自分に言い聞かせました。

次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。でも、皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。

それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れ、バイトなんぞに勤しんでいました。

そしてある晩、急に始まったのです。『次はえぐり出し~えぐり出しです』

あの場面からでした。私は「あっ、あの夢だ」とすぐに思いだしました。

すると前回と全く同じで、二人の小人があの女性の眼球をえぐり出しています。やばいと思い、夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、とすぐに念じ始めました・・・今回はなかなか目が覚めません。夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ・・・

『次は挽肉~挽肉です~』

いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ。

ふっと静かになりました。どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時、『また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~』と、あのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。

目を開けると、やはりもう夢からは完全に覚めており、自分の部屋にいました。最後に聞いたアナウンスは、絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。私がいったい何をしたと言うのでしょうか?

それから現在まで、まだあの夢は見ていませんが、次に見た時にはきっと、心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しています。

こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉です・・・

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『猿夢+』2chスレ(体験談)

2chのオカルト板で紹介されていた、『猿夢』と言う話をご存知だろうか?

とある電車に乗り合わせた人が、独特の方法で順番に殺されていくというものだ。知らない人は『死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?』の『投票所』で探してみて欲しい。上位にランクインしているので、すぐ分かるはずだ。

さて、この『猿夢』だが、このテの話に多い『読んだ人にも災難が降り掛かります』的なコメントもなく始められていて、文章も読み易く、僕はページを開くなりサクサク読み進めていった。

しかし、それが間違いだったのかも知れない。この話を読んでから4日目の晩、僕は『続き』とも言える恐ろしい夢を見たのである。二番煎じは一番を超える事は出来ない。

それは重々承知だが、僕の見た夢をここに書き留めておきたい。

夢の中で、僕は名古屋市内のとある遊園地のスロー・コースターに乗っていた。今はもうなくなっているだろうか?それは子供向けのアトラクションで、園内の一部をゆっくりと回って来る。幼い頃の事なので細かい事は良く覚えていないが、大体3~5分の内容ではなかっただろうか。

降り場の手前に小さなトンネルがあって、そこを抜けるとビデオカメラを構えた父。その隣には、僕らの名前を呼びながら手を振る母の笑顔があった。これは父からの虐待が始まる前の、最も幸せだった頃の大切な思い出だ。

夢の中で僕は2人掛けの一番前の席に座っていた。隣には幼かった頃の姉がいる。あの頃僕は姉を見上げてはしゃいでいたのに、この夢の中では僕だけ20歳。この年齢差では、年の離れた兄妹どころか、下手をすると親子のようだ。しかし、僕は懐かしいあの頃の夢を楽しむ事にした。

僕らの乗ったコースターはゆっくりとコースを回り、やがてトンネルに差し掛かった。このトンネルを抜ければ、優しかった父にもう1度会える。僕はそう思った。しかしトンネルを抜けると、そこはあの遊園地ではなかった。

今まで僕が乗っていたコースターは電車に変わり、僕は『5号車の自由席』に乗っていた。隣にいたはずの幼い姉はもういない。席は前の方で、喫煙車両である4号車とを繋ぐデッキのドアが開くと、煙草の匂いがした。

僕は新幹線で移動する事が良くあるので、夢がそこに繋がってしまったのだろう。全く、夢はいつも『いいトコ』を見せてくれない。僕は舌打ちした。

窓の外を見慣れた景色が過ぎていく。ただ現実と違うのは、車内があまりにも静か過ぎる事。そして2人掛けと3人掛け、左右どちらのシートを見ても、どの列にも窓際に1人ずつしか掛けていない。

そして皆異様に顔色が悪かった。無気味だなと思いつつ、僕はいつの間にか抱えていた鞄からMDプレーヤーを取り出し、お気に入りの曲を聴いた。

と、新幹線が減速し始める。おかしいな?京都に着くにはまだ早過ぎる。もしかして岐阜羽島にも停まるのか?僕は駅名を確認しようとヘッドフォンを外したが間に合わず、聴き取る事が出来なかった。

見知らぬ駅で停まる新幹線、突然車内に響く叫び声。どうやら後ろの方の席で何かあったようだった。しかし物凄い声だったにもかかわらず、誰1人反応しない。何があったのか?しかし僕の視力では後ろまで見えない。

乗り降りする人は誰1人なく、新幹線はまたゆっくりと走り始めた。5分と経たないうちにまた減速。次の駅名は聴き取る事が出来た。

『吊るし上げ』

新幹線はまた知らない駅で停まる。そしてまた、叫び声。慌てて後ろを振り返ると、初老の女性が吊るし上げられていた。

相変わらず良く見えないが、首に紐が掛けられているのだろう。首の辺りに手をやってもがいていた。手足がシートや壁に当たる音がバタンバタンと聞こえる。僕はやっとこの夢が何であるか分かった。

恐らくこれは『猿夢』だ。一刻も早く目を覚まさなくてはならない。しかし僕は、自由に目を覚ます事が出来ない人間であるため、しばらくその夢を見る事になってしまった。

とりあえず今何人が殺されているのか、僕は何番目なのかを知っておきたかった。僕の乗る5号車の、後ろ4分の1程は空席のようだ。

しかし実は既に殺されていて、そこには『猿夢』のように、『活け造り』や『抉り出し』された人が座って(?)いたのかも知れない。

僕が座っているのは前から6番目。まだまだ順番が来るには早いが、さっさと目覚めなくてはならない。しかし、なかなか目覚める事が出来ない。その間に、何度も聞こえる叫び声。

と、いつもドリンクやサンドイッチを売り来る車内販売の女性が、ニコニコしながらカートに内臓を乗せて押していくのが見えた。もう駄目だ。早く目覚めろ、目覚めろ、目覚めろ。

順番を確認するのに、僕はまた後ろを振り返った。すると、後ろに座っていた何人かがスッと消え、同じように席もなくなった。前から6番目にあったはずの僕の席は、真中あたりに来ていた。

慌てる僕に、すぐ後ろに座っていたリーマン風の男が言った。「目覚めたから席が消えたんだよ。アンタも早く目覚めないと、すぐに順番が来る」僕の8つ後ろの席から、血が流れているのが見えた。

大丈夫、まだ7人余裕がある。早く目覚めて、もう2度とこの夢を見なければいい。

次の駅が来た。『串刺し』と、大変な事になった。

自分の番が来るまで後7人あると思っていたのに、その駅で一気に5人串刺しになって殺されてしまったのだ。

次は僕の後ろのリーマンの番だ。しかし彼は、シート越しに穏やかな口調で話し始めた。

「オレはもう目覚めなくていいんだ。会社はリストラされたし、妻は・・・」
ガクガク震えながら彼の身の上話を聞いているうちに目が覚めた。

目覚めた時は冷や汗をいっぱいかいていた。あんなに長い夢だったのに、時計を見るとほんの20分程しか経っていない様だった。

『猿夢』・・・あまりにインパクトが強過ぎたために、こんな夢を見たのだろう。あの話自体が、この電車への切符なのかも知れない。

とにかく、もう2度とあの夢を見ないようにしなくては・・・

本当に、恐怖のあまり心臓発作で死んでしまうかも知れない。

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まとめ

猿夢は、2000年に2ちゃんねるのオカルト板「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」で発表され、その独特な怖い話が多くの人々を魅了してきました。

この話の魅力と恐怖は、夢という私たちの日常で経験する事象を舞台にしていること、そしてその中で展開される恐怖のあらすじが非常に具体的かつ視覚的であることにあります。そして、この物語がもたらす心理的恐怖は、猿夢を単なる怪談以上のものとして特別な位置づけにしています。

猿夢は、都市伝説としての強烈な印象を与え続け、多くの考察を呼び起こしました。2ちゃんねるにおけるユーザーの間での話題性や、その後のホラー文化への影響は計り知れません。猿夢は今も検索してはいけない言葉としてネット上に存在し、現代のメディアや文学における恐怖表現にも少なからず影響を与えているのです。

このように、猿夢はインターネット文化とホラー文化の交差点に位置する独自の魅力を持つ物語として、その恐ろしさを多くの人々に浸透させています。

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