【不思議な話】子供が3人しかいない離島で起こった不思議な出来事【怖い話・長編】

⏲この記事は約 11 分で読めます。

【不思議な話・長編】
【怖さレベル】6.0

スポンサーリンク

これは、俺が幼馴染と体験した話です。

文才もないのでおもしろくないかもしれませんが、聞いてください。

バレるのが怖いので、少しフェイク入れさせてもらいます。

俺の出身は小さな島です。

島の中には2つ集落があり、大半が漁を営んでいます。

俺は現在、その島を出て大学に通っています。

幼馴染は2人で、1人は俺と同じく島外の大学へ。

もう1人は島に残って漁師をしているはずでした。

人が何人か出てくるので、スペック書いておきます。
名前は仮名です。

俺:男、大学1年、19才
早希:女、大学1年、18才、幼馴染
大輔:男、漁師、18才、幼馴染
あとは俺の両親や大輔のお母さんです。

俺と早希は南の集落、大輔は東の集落に住んでいました。

早希とはご近所同士で赤ちゃんの時から、大輔は5才の時から遊ぶようになりました。

俺らと大輔の出会いは、小さな丘です。

南の集落と東の集落の間にあります。

小さい頃は、海は危ないので集落のどこからでも見えるこの丘で遊ぶように言われていました。

俺と早希はいつも追いかけっこや虫や花を捕ったりして遊んでいたと思います。

幼稚園など島にはないので、ごはんを食べる以外は朝から夕方までここで遊んでいました。

いつも通り2人で遊んでいたある日、

「ぼくもいーれて」

スポンサーリンク

知らない男の子が声をかけてきました。それが大輔です。

俺と早希はいつも2人で遊んでいたので、新しく入りたいという大輔は大歓迎でした。

それからは3人で小学校入学まで毎日この丘で遊びました。

3人になったことで鬼ごっこやかくれんぼ、だるまさんがころんだなど色々な遊びができるようになりました。

俺は毎日のように母に早希と大輔と遊んだと報告し、母もそれを嬉しそうに聞いていました。

さて俺らも6才になり、小学校に入学する時がきました。

島に1つ小さな小中学校があります。

俺らが入る年に中3のお兄ちゃんが卒業でしたので、新入生の俺ら3人が唯一の在校生です。

それからも毎日3人で遊びました。

小学生になり少し行動範囲も増え、丘から山へ。

高学年になれば海にも行って遊びました。

3人で1つくらいの勢いだったと思います。

遊び呆けてた俺らも中学に上がりました。

上がるといっても同じ学校、同じ先生だったので実感はなかったです。
少し勉強も難しくなり、俺らは遊ぶ時間を減らして勉強もするようになりました。

といっても学校の教室が常に開いていたので、そこに集まって話をしたりするのがメインでしたが。

早希は勉強ができ、俺は普通、大輔は苦手。

いつも定期試験の前は早希に教えてもらっていました。

そんな中学校生活でも進路の話題がでてきました。

「中学卒業したらどうする?」

早希から聞かれました。

俺は高校に行くつもりだったので、島外の高校受験。

早希も同じく島外の高校を希望。

答えた俺らに対し黙っている大輔に

「大輔は?」

と俺ら2人は聞きました。

少しの沈黙の後

「俺は勉強できないし嫌いだから、この島で漁師でもするかな」
「2人とは離れちゃうな」

と悲しそうに答えました。

それ以降、俺らはあまり進路の話題に触れずに遊びながら過ごしました。

心のどこかしらに離れるというのが残っていたと思います。

スポンサーリンク

しかし時間というのは残酷で、受験シーズンが到来してしまいました。

俺と早希はもちろん勉強をしなくてはならず、大輔も空気を読んで遊びに誘ったりすることはなくなりました。

俺も早希も船で通うのは難しい為、全寮制の高校を希望しており、2人とも同じ高校に合格。

受験が終わってからは、またいつもの3人で遊びました。

この時はタガが外れたように昼夜問わず遊びましたね。
狂ってたと思います。

さすがに勝手に黙って夜釣りに行った時は、両親(早希の両親にも)にめちゃくちゃ怒られました。

それ以降は、おとなしく遊んでいたつもりです。

中学の卒業式も終わり、いよいよ大輔との別れの日もやってきました。

「ずっと友達だからな」
「いつでも帰ってこいよ」

俺ら2人を見送る大輔に大きく手を振り、俺らは高校へ進学しました。

高校に入ってからはそこそこの進学校だったこともあり、大変でした。
早希も結構苦労していたと思います。

また大きな変化もありました。

学校にたくさん同い年がいることです。

新しい友達もでき、高校生活を満喫していました。

島にも正月以外は帰っていませんでした。

高1の正月に帰った時です。

大輔に会おうと思いましたが、小中学校の時はいつも前日に集まる場所を決めていた為、電話番号を知らず会うことができませんでした。

この時はまた帰るから会えるだろと親戚の集まりに参加しました。
早希も同じだったようです。

高2に上がり、勉強がますます忙しくなってきました。

高2の3学期は高3の0学期というような高校です。

男子寮と女子寮、クラスも別(俺が理系、早希は文系)の為、早紀とも会うことが少なくなりました。

受験モードに学校が入り始め、この年は正月も帰らずに勉強をしたり、寮に残っている生徒と年越しをしたりしました。

高3に上がり、勉強漬けの日々でした。

両親からは合格できたら携帯を買ってやると言われ、とてもやる気になりました。

周りは携帯を持っている子も多く、こんな物に釣られる安い男です。

高3の時も帰らず勉強し、見事希望の大学に合格することができました。
たまに図書室で会う早希と受験の結果を報告しあい、早希も希望の大学に合格したとのことでした。

大学は完全に別の場所だった為、早希とも高校卒業で離れることになりました。

高校卒業前、俺は念願の携帯をゲットしました。

早希も同じくらいに携帯を買ってもらっていました。

俺のラインの初めての友達は早希です。

それから高校の友達に電話番号やラインを教えてもらい、高校の時の写真などを送ってもらいました。

卒業式後は、島に戻り入学の準備をしていました。

この時、早希も一緒に戻っていたので、大輔に会おうということになりました。

しかし電話番号も知らない状態で、東の集落と漁港を探しに行くことしかできませんでした。

結局会うことはできず、大学に進学することになりました。

俺と早希はお互い月に一度くらい連絡を取りつつも、自分たちの大学生活を楽しんでいました。

スポンサーリンク

そんなある日の6月の終わり、1通のラインが来ました。

送り主はなんと大輔から。

『携帯買った。早希に連絡先聞いたから登録しといて』

俺は嬉しくてすぐに返信をしました。

正月に会おうと思っていたこと、高校と大学生活のこと、大輔の近況など。

大輔はほぼ毎日、漁に出ているようでそれで会えなかったとのことでした。

そして大学が夏休みの9月に会おうと約束をし、連絡を終えました。

すぐに早希にも連絡して、俺の自動車学校が終わる9月の終わりに3人で会うことになりました。

久しぶりに会えることになり、俺は大学の試験もバイトもこの為だけに頑張れたと思います。

自動車学校も卒業し、待ちに待った再開の日がやって来ました。

新幹線を降り在来線で港へ、港で早希と合流。

この間、大輔とも連絡を取り、

『今日はもう漁から戻ってるから港で待ってる』

と来ていました。

船には1時間ちょっと、早希と大学の話で盛り上がりあっという間に地元に帰って来ました。

スポンサーリンク

しかし、港を見渡しても大輔の姿がありません。

2人とも隠れてんのかなとか久しぶりすぎて恥ずかしいんじゃない?などと言って周りを探してみました。

仕方がないので連絡を取ってみることに。

『着いたけどどこにいる?』

連絡をしたけど返事はなく、電話をしてみることに。

「お掛けになった電話番号は現在使われておりません」

俺が番号を打ち間違えたと思い、早希にも掛けてもらいましたが同じでした。

イタズラでもしてんのかなと2人でイライラしながら、港で少し待つことに。

1時間くらい話しながら待った所で、早希が完全に怒ってしまいました。

「いつまで待てばいいんよ!探しに行こう!」

そう言ってまずは俺らの集落にある学校へ。

俺らの通っていた学校は今や廃校です。

門を開け、学校の中を散策。

教室等は木の床が抜けていたりして危なかったので、入るのはやめました。

ここにも大輔はおらず、次にいつも遊んでいた丘へ行ってみることに。
その間も連絡は来ず、早希の怒りも消え2人で何かあったんじゃないかと話してたくらいです。

まあ集落の方から丘は見えていたのですが、人影はなかったんですけどね。

丘に着いてもいない。

あるのは草と木と山に続く道だけ。

「東の集落ここからなら近いから行ってみる?」

と俺が提案しました。

早希もこの提案に乗り、俺らは東の集落へ。

東の集落に着いても見当たらず、仕方がないので聞いてみることに。

漁港の近くにいたので、漁師さんなら顔見知りだろうと思い声を掛けました。

「すみません大輔ってご存知ですか?その子の家に行きたいんですけど」

漁師さんからは知らないねとか誰だい?と返ってきてさらに頭の中が???でいっぱいに。

早希と2人で顔を見合わせていた所、先ほどの漁師さんから

「苗字は何だい?」

と聞かれ早希が

「山川です」

「山川さんならこの道進んで2本目の道にいるよ」

と教えていただきました。

家知ってるのに漁師の大輔は知らないの?とか実はニートになってて恥ずかしいんじゃない?など言いながら家の前に。

「そういえば大輔の家って初めてね」

「うーんお母さんいるって言ってたけど病気してるとか言ってたな」

「入学式とかも来てなかったよね」

大輔の家はとても古い日本家屋の平屋でした。

錆びて古ぼけたポストには、消えかけの字で山川◯◯ △△ 大…

と多分お父さん、お母さん、大輔だとは思うんですが、書いてはありました。

表札も山川になってます。

「お父さんはいないんじゃなかった?漁に出たきり戻ってないとかで」
早希はよく覚えているなと感心したものです。

「でも名前も書いてあるし、多分ここであってるでしょ」

と言いながら、インターホンはなかったのでノックをしました。

ノックをしたらすぐに

「どちら様ですか」

と女性の声が。

「すみません◯◯と△△です、大輔くんと今日会う予定だったのですが、帰ってらっしゃいますか?」

そのまま無言のままドアが音を立てて開きました。

この時かなり勢いよくドアを開けられたので、びっくりしてしまいました。

白髪としわがすごくかなり歳を取っているように見える女性。

とても不審なものを見るように開口一番

「何の冗談ですか」

俺ら2人はえっと声が出てしまいました。

早希が、

「今日3人で会おうって連絡取り合ってて…私たちのことご存知ないですか?よくあの丘で大輔と遊んでいたんですけど」

俺も、

「幼馴染なんですが、今日は帰ってらっしゃらないですか?」
と尋ねてみました。

すると女性は、

「大輔は…大輔は…」

と泣き出してしまい、俺らが顔を見合わせて困っていると。

「亡くなってるんですよ!!!」

急に怒鳴られ、血の気が引いてしまいました。

「え…いつですか?今日亡くなられたんですか?」

と俺が聞き、

「これ今日もさっきまで連絡を取り合っていたんですよ」

と早希が携帯を出して見せます。

名前も大輔になっているやりとりの画面。

それを見て女性はさらに泣いてぐちゃぐちゃの顔が怒ったようになり、

「悪い冗談ならやめてちょうだい!」
「大輔は…あの子は…14年前の5才の時に死んでるの!」

そう叫ばれた時は愕然としました。

「帰って!」

と叫ばれドアを閉められ、俺ら2人は呆然と立ち尽くしていました。

2人して何かの嘘でしょといい元の道へ。

先ほどの漁師さんが、

「山川さんの家見つかったかい?」

と声を掛けていただいたので、聞いてみました。

本当に14年前に5才の男の子が亡くなっていたのか。

大輔という名前は他にいないか。

漁師さんからの回答はYESでした。

大輔という名前のじいさんはいるが若者でこの集落にはいないと。

早希と2人で悶々としながら家路につき、母にこの件を報告。

母は大輔のことを覚えていました。

それに卒業アルバムにも写真うつってるでしょと奥から出してくれました。

ちゃんと写っています。

俺らは誰と一緒に遊んでいたんでしょうか。

学校で過ごした日々は一体。

この後、いろいろ探してみたりしましたが、大輔は見つからず。
本当にあの日々は何だったんだと不思議に思っています。

〈了〉

引用元:https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1532612461/

コメント

タイトルとURLをコピーしました